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フィロのスが進もうとする道にはチャットモンチーの轍がある

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フィロソフィーのダンス現体制最後の作品『Red Carnival』、表題曲はtofubeatsで、2曲目の『Clap your hands』も個人的には大事件でした。みんな大好きニュージャックスイングを超ド直球で楽曲派としてはたまらない1曲でして、軽く曲の感想にするつもりが、作詞の元チャットモンチー高橋久美子さんから深掘ってまたしても限界オタクになってしまった。

 

フィロソフィア感情ぶっ壊れ時

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歌詞の部分がメインになります。タイトルの通り、チャットモンチーの軌跡を見ると、フィロソフィーのダンスの明るい未来が垣間見えた。

 

曲調

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音がド頭からオーケストラヒットがキマる瞬間から優勝よ。こんなモンヨォ

フィロのスでは『スーパーヴィーニエンス』以来のニュージャックスイング、よりダイレクトに出してきた。奥津さんハルちゃんの声を活かしたフロウのラップも最高。はすあんぬはパキっとした感じがいいけど、ハルマリコンビは吐息多め、語尾長めの方が声のうま味を存分に味わえる。歌詞見てもラップパートの歌詞は奥津さんのこれまで~今まんまじゃないですか

 

作編曲の情報を見ると

kazuya Fukuda作曲→Dickeyさん(ハルちゃんが出演しているFMヨコハマのラジオ番組『BREAK IT DOWN』で共演中)

GROOVE ASYLUM 編曲→Dickeyさんがドン?中心人物のバンドだそうです。バンドのHPからDickeyさん個人のHPにも飛べる

www.grooveasylumband.com

Works見たらジェイディーズの大名曲『横浜ラブストーリー』もやってた。そういえばこの曲の作詞は『サンフラワー』『愛の哲学』のいしわたり淳治大先生ですね。FMヨコハマさん案件の打率の高さよ

BREAK IT DOWNのメンバーも今はハルちゃんだけど、昔はジェイディーズちゃんが出ていて、コロナ前にはライブイベントもやっていたそう。これは今後に期待ですな

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去年の『ジョニーウォーカー』の作編曲も担当されていて、ソウルフルな感じも最高だったけど、今回はニュージャックスイングって「完全に分かってる人」の仕事なんですよね。今後とも作編曲はずっとDickeyさんで良いですよ!もっと言えばGROOVE ASYLUM引き連れてのツアーもオナシャス!!

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歌割もフィロソフィア同様、こまかく4人の声が早めに出揃う、個人的ツボなヤツ。あんぬパートの色っぽさは過去イチなのでは?リリイベでも卒業ライブ大阪番外編でも披露がなかったので、野音が最初で最後のベストフォー体制でのライブ披露なのが残念で仕方ない。新メンバーには是非とも早い段階で習得していただき、歌い継いでいただきたい。

 

歌詞 (奥津マリリさんとチャットモンチー)

なんと言っても歌詞が元チャットモンチーのドラム、クミコンこと高橋久美子さん。アラサーロキノン厨にはレジェンドよ!!!!

奥津マリリ×チャットモンチーといえば、ウチのブログでは言わずもがなですね。

 

奥津さんにとって、チャットモンチーは音楽ハマるきっかけとなった存在。

※藍坊主は奥津さんの地元、小田原が生んだスターバンドです。こちらもアラサーロキノン厨御用達バンド

 

奥津さんブログのチャットモンチー話、高校生の時に組んでたバンド時代の様子は以下を参照。生誕祭で歌った『サラバ青春』もクミコン作詞です。

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奥津さん地元のライブハウスのクラウドファンディングのリターンとして凱旋ライブでも、自分の原点としてカバーしてます。

 

というかShiggy Jr.池田智子さんもだけど、チャットモンチーが現アラサー当時のロックキッズ中高生に与えた影響って本当に大きいんだなって。こと女子に限って言えば「普通の女の子がTシャツのままやってきてギターかき鳴らす」ってマジで色んな人の人生ひっくり返してきたんだろうな。

 

少し話がそれましたが、多くのアーティストがそうですが、自分のルーツであるアーティストとの絡みって、自分の知る限りだと対バン以外だとあまりないんですよね。今回の楽曲提供は本当に貴重。最近だとAdoに楽曲提供した椎名林檎くらい。

バンドは自分たちで制作する性質上、難しい面もある。例外的なコラボでいうと、Base Ball Bearがギター湯浅の失踪→脱退騒動の際、メンバーのルーツのナンバガ田渕ひさ子さんがサポートギターで入ってくれた件があります。(ちなみにベボベも加茂さん発掘バンド)

 

それに匹敵するくらい、今回の元チャットモンチーの高橋久美子が、奥津マリリ擁するフィロソフィーのダンスに楽曲提供したのは大事件、奥津さんが紆余曲折経て今アイドルやっているからこそ実現できた交わり方。

 

クミコンと奥津さんのTwitterやりとりだけで、こっちまで嬉し泣きしちゃう

 

しかもラジオ情報ですが、ほぼ当て書きなのよ!!!曲名『Clap your hands』奥津さんがやっていたバンドはThe Clap、歌い出しの「赤いテレキャスター」は、奥津さんバンド時代のギター、実際に奥津さんとクミコンがお会いして、奥津さんの半生の話を踏まえたうえで作られたそう。こんな裏話あったら、そりゃ奥津さん号泣ですわな。マジでスタッフさんに引かれるくらい泣いたそうです(インスタストーリーから)

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他にも何か仕込んでないかなと歌詞を見てると

青い巻きたばこ吸う人を見ると

思い出すあなたの背中

チャットモンチーで煙草なんて出てきた日にはゼロ年代最強ロックバラード『染まるよ』しか出てきませんって~~

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なんて思って他にもチャットの曲ネタないかなと少し探してみると

今宵は月がキレイだね

ギターひずませ泣きたい気分だわ(2番では”ヒール脱ぎすて駆けたい気分だわ”)

『8cmのピンヒール』は歪んだギターが印象的な曲で「月を見て綺麗だねと言ったけどあなたしか見えてなかった」というフレーズもある

 

楽しくなってきて「”曲に出てくる固有名詞” チャットモンチー」で検索してたら『砂鉄』という曲が見つかる。リリース見ると2018年でクミコン作詞とあって不思議に思う。

 

チャットモンチーの軌跡

3ピースバンドで2004年結成、2011年にドラムのクミコンが脱退、元々バンドの最小構成の3ピースから1人抜けるため、サポートの加入は間違いないと思われていた。しかしチャットは2人だけでギターベースドラムを兼任する決断をした。2人体制で実績を挙げた後、乙女団、男陣と題して男性女性それぞれサポートキーボードとドラムを招き、そこから最終的には打ち込みに挑戦して2018年にバンドを完結=解散させた。

 

そんな解散前のラストアルバムに、クミコン歌詞の曲がある。解散時のはなむけの言葉というのも踏まえても、辞めたメンバーが参加するなんて異例だ。

その歌詞と制作エピソードがフィロソフィーのダンスの未来が垣間見える。

橋本:私の意識的にはあまり寄り過ぎないようにしようとしてたかもしれない。そうじゃないと突っ走れない気がしたんですよね。くみこんなしでやっていくためには、振り返っていたらダメだって気持ちもあったし、もちろん寂しさもあって……チャットにいたときみたいに密に連絡を取ったりしないようにはしていました。

福岡:私もたぶん同じですね。誕生日にメールを送ったりするくらいで。

橋本:でも今回、久しぶりにちゃんと話したけど時差を一切感じなかったんです。付かず離れずのところで、でも、やっぱりお互いを思ってたのかもっていう……そういう想いがやっと口に出せるような、そんな気がすごくしました。だから話していて、すごくうれしかった。くみこん自身も辞めてからずっと“元チャットモンチー”っていうのと闘っていたし、私たちも“元3ピース”みたいなところと格闘してきて、そういうところも似ていたのかなって今回初めて思えたかもしれないです。

 

原文

meetia.net

 

おわかりいただけただろうか。フィロソフィアの歌詞”めちゃ久しぶりに会った友達 でも一瞬で距離感取り戻すみたいなやつで”そのままの体験なのだ。

 

それで解散前に書いた曲『砂鉄』の歌い出しこれよ?

 

www.uta-net.com

同じクラスだったら友達にはなってないだろうな

ジャンル違いのオタクだもん

プリント回すだけの関係さ

やめてくれ、メンバーとのかけがえない関係性を身近な言葉で表すのはやめてくれ、今の俺にはクリティカルヒットすぎる。正にフィロソフィーのダンスのみなさん「ジャンル違いのオタク」なんですよ、好きなモノの話してるとき嚙み合わなさすぎるんだよな。

 

砂場に磁石入れたら

砂鉄だけ持ち上がるように

別の惑星に生まれていても

僕らは出会ったのだろうね

”ドデカイ宇宙の中で出会えた80億分の1”の確率もすごいけど、それを上回るスケールのパンチラインを出すんじゃないよ~

 

明日のことは誰にもわからんだろう

だけど何も心配はいらんだろう

君は君の真似なんてしなくても

最初で最後の君だ

僕は僕の真似なんてしなくても

最初で最後の僕だ

元々はえっちゃん(ギタボの橋本絵莉子さん)に向けた言葉でもあるんだけど、このフィロのスの卒業~新体制の文脈を踏まえると現メンバー、新メンバーに等しく刺さるメッセージにも聞こえる。奥津さんたち先輩だって、これから入る新メンバーだって、これまでフィロのスの真似なんて必要ないのだ。第2章として、最初の最初の自分でいて欲しい。「最新の自分を誇れ」というエールにも聞こえる。

 

また運命のいたずらか、クミコンのバンド在籍期間、フィロのスの結成から今までと同じ約7年間(2004~2011)なんスよ…なんなんスかこれ 歌詞にある”色あせたバックステージパスは2004”って、おとはすに置き換えたら2015なんよ

 

 

おまけ~ガラスガールおとはす×奥津さん対談~

奥津さん連載のサシ飲み企画におとはす登場して7年間のこと色々話すんだけど、本人からこのブログへのアンサーみたいな内容だった。

 

 

フィロソフィーのダンスは、違う星からそれぞれ地球に来て、地球で仲良くなった…みたいな感覚があります。

→比喩で使った別の惑星をまんま出してくるなよ笑 !

”別の惑星に生まれていても 僕らは出会ったのだろうね”

過去インタビューでも言ってたけど、今回も「同じクラスにいたとしても友達にならないし」と言ってます。

 

おとはと新メンバーを比べるのは「おとはを舐めんなよ」って思うし、新メンバーと過去を比べるのは「比べてもしょうがないじゃん」っておもうし。

→やはりフィロのスのスタンスとしては「最新の自分を誇れ」でして、比べるのは無粋なんすよォ!!!!

”僕は僕の真似なんかしなくても 最初で最後の僕だ”

 

まとめ

またラジオ情報ですが今回のコラボは「ずっとやりたい言っていたが、今回夢がかなった」とのこと、チャットモンチーもレーベルSONYだったし、繋がり的にはすぐいけそうだったけど、このタイミングということは、やはり狙って今回だったのではないでしょうか。

クミコンほどではないがえっちゃんも楽曲提供していて、前々から願っていたがこのタイミングで実現したのは、チャットモンチーを脱退し、バンド解散前に曲を書いてくれたクミコンが、フィロのス現体制最後のリリースというタイミングで書いてくれたのは運命的ですよねぇ

 

奥津マリリさん、あなたが進もうとしている道の先には、今も昔もチャットモンチーが先に進んだ道なので、安心して突き進んでください。

我らはどんな明日でもついていきます。

 

幣ブログでは卒業ライブ前に下書き在庫一掃セールと題して、過去ライブレポ等集中的に書いていく予定ですので、よろしければ過去記事も

www.crying-thankyou.com

 

それでは