Superflyの活動再開後の初ツアー、0 Tour@さいたまスーパーアリーナに行ってきました。もはやライブというより「歌が上手いとは、こういうことですよ」という模範解答を2時間半にわたって実演を基に丁寧に教えていただきました。
前半はネタバレ無しでボーカルの凄まじさについて書き殴り、後半はネタバレ含めてライブの感想です。『プロメア』劇中歌・主題歌のあの曲は聞けたのか!?どんな演出だったのか!?は後半に書いてます。
とにかく歌が上手すぎる
音源やテレビで分かりきっていたつもりで、十分すぎるほど知ってたけどスゴかった笑。もう曲が終わるたびに笑ってしまった。これだけ歌えたらさぞかし楽しいんだろうな~
ライブへの期待値も他にないほどに高かったけど、それを軽々と超えるパフォーマンス。歌の神様に愛されたどころではない。神の遺伝子を受け継いでいるのでは?(と思ってタイトルにしました)
ザっと挙げると以下
声量はCD以上
絶対的な安定感
伸ばす時も一切ブレない
リズム感が完璧
聞き取りやすい
スタンド2階席にも声の勢いが衰えず届く
所々に綺麗なフェイクが入る
声のリリースポイントも変幻自在
リリースポイントに合わせて声の圧も変えている
声の表情が豊か
上記全てをサラッとやっている(ように見える)
といった感じ。身長も153cmしかないんだけど、これがオーラって言うのでしょう。メチャクチャ存在感あった。ハンドマイクだけど煽ったりは皆無、三浦大知は「歌って踊る」をどちらも高水準で両立する凄さだけど、Superflyは歌だけで圧倒する。
メスライオンの異名を持っていたけど、アップテンポな曲だとライオンが咆哮して襲い掛かってくるようなオーラに、かと思えば浮世の穢れを全て浄化してくれるような優しい歌声に早変わり。ラスボスから聖母マリア様までイケるふり幅の広さ。
そんな歌の上手さを見せつけられた後、ギャップが見えてしまうからまぁハマる。なんと、話すと非常に穏やかなんですよ。曲調や昔のビジュアルからパワフルな感じかと思ったけど、すごい静か。
おそらくだけど、喉の不調で活動休止して、そこから活動スタンスが変わったんだと思う。喉への負担はもちろんだけど、元々1個人としては活発な人でなくて、最近はステージでの立ち振る舞いもありのままの自分に近い状態なのかも。改めてインタビュー読んだら会話の節々で繊細さを感じた。
歌い方も全編通して優しくて、張り上げたり辛そうにしないんですよ。今まではSuperfly自身95%位の本気度でやってたことを、今は80%くらいで出来るようになっているので、物足りなさはほぼ感じないし、スキル的にはメチャクチャスゴイ事をしている。そしてそれを頑張ってる感じ皆無でやっているのが1番スゴイ。参りました。
ライブ感想 ※ネタバレ含む
ここからはセトリ含めてライブレポ、ツアーこれから参加の方は要注意
まずは前置きでライブに行った経緯から。Superflyは元々好きで、高校生の時に絶賛売り出し中だった。昔1回だけチャットモンチーとの対バン(OAはmiwa)で見た以来2回目でワンマンとしては初。
音源はちょくちょく聞いていて、最新曲が6月に公開されたアニメ映画の『プロメア』劇中歌・主題歌になって、その曲が個人的には年間ベスト間違いなしなヒットし、ライブで聞きたいと思っていた。
サビの呪文のような歌詞で韻メチャクチャ踏んでたり、曲の構成がHIP HOPになっている等、何回聞いても飽きない異常なほどの作りこみがされてます。
『プロメア』は海外でも人気らしく、なんと台湾のオタクの方が現地のSNSで自分のブログを拡散してくれて沢山の人にも読んでいただいてます。
そんな中でツアーのお知らせ、しかもアルバム引っ提げないツアーということで、自分より前から好きだったオカンも誘って行ってきました。
昔、超飛行少年(読み:スーパーフライングボーイ)というバンド好きで、彼らが活動休止→解散のタイミングで名前が似ている彼女がバカ売れしているのが許せなくて笑、謎に毛嫌いしていたけど、アラサーになって丸くなりワンマンに行くまでになったのも、時の流れを感じる。
2016年に喉の不調で休止、2017年に復帰して曲は出していたものの、ツアーはなんと3年半ぶり、そして年明けにはアルバム発売だそうです。
客層は40~50代が中心。たまにマジで「70年代のロックしか聞かねぇ」みたいなロン毛おじさんがいてビックリした笑。夫婦で手つなぎながら来ている人もいてホッコリ、活動も10年以上だし自分と同年代の人もいたけど親子で来ている人が多かった。
ようやく本編、以下セトリ
01 Ambitious
02 Wildflower
03 やさしい気持ちで
04 Gifts
05 Beautiful
06 恋する瞳は美しい ※ジャズアレンジ
07 Fall
08 My Best Of My Life
09 氷に閉じ込めて
10 I Remember ※アカペラ
11 Lilyの祈り(新曲)
セッション
12 覚醒
13 タマシイレボリューション
14 Dancing On The Fire
15 愛をからだに吹き込んで
16 Good-bye
17 99
アンコール
18 サンディ(新曲)
19 愛を込めて花束を
20 フレア
ちなみにメンバーは、ギター2人ベースドラムキーボード、ホーン隊3人にストリングス複数名にコーラス、あと曲によってダンサーも何人か登場してきてカナリの人数だった。
最新曲だから1曲目に『Ambitious』と思ったら予想的中! 上で散々書いたけど、まぁ歌が上手い。序盤はちょっと音割れとかあったけど、途中からすごいクリアになった。
最初3曲は全てハイハットシャンシャン始まりだったけど、イントロ鳴った瞬間どの曲も会場の8割が知っているリアクション。やはりタイアップは強い。シングル連発というのも羽振りの良さを感じる。売れていっる人のライブって感じするわ~
MC「ここでやるのは久しぶりですが、相変わらず傾斜がスゴイですね。今日は17046人もの人が来てくれました。最後までよろしくお願いします。」
17046人はこの後も度々触れてた。
Giftsは流行りのスクリーンに歌詞表示される演出、Beautifulは終盤かと思ったら序盤でアッサリと披露。こうなると逆にアッパーな曲は一切ないからラストスパートに畳みかけるのかな?
MC「お休み中に色々な音楽を聞いてジャズを好きになりました。それが曲にも反映されたので次の2曲はジャジーな感じでやります。恋する瞳は美しい」
『Fall』くると思ったらまさかのアレンジ変更!? オカンは原曲verを聞きたがっていたので残念がってた。この曲ハデなキメが楽しいからジャズアレンジだとそこの魅力が下がってしまい、自分もちょっと悔しかった。
ただ基本は4つ打ちだし、アレンジしやすいんだろうな。サビの歌メロは「ふりっむいて~だっき しぃ め~ てぇ~」と変わってた。(活字では伝えるの難しい…)
続いてお待ちかねの『Fall』、こちらもドラマ『あなたには帰る家がある』タイアップで聞いて好きだった。ホーン隊大活躍で色気マシマシな歌、と思いきやサビでメスライオン発動ね笑 これは強かった。ビリビリきたね~
続いてバラード連続。『My Best Of My Life』は昔から聞いてたし、『氷に閉じ込めて』は中田裕二プロデュースで思い入れしかないから染みた。こんな沢山の人に聞かれるなんて…(感動)
センターステージにイルミネーションみたいなセットがあってメリーゴーランドみたいになってた。
音源だとフェードアウトだからライブでどう演奏するか気になっていたけど、アウトロのキーボードのリフはしっかり演奏してくれた。むしろ音源より長くて、その間にセンターステージ移動。最後はイルミネーションがゆっくりと消えていく。曲の儚さと合っててメッチャいい演出だった。
そのままセンターステージから全編アカペラで『I Remenber』。最初咳する人いたりスマホのアラーム鳴ってたけど、途中から無音になる。曲間でもなく、三浦大知の無音ダンスでもなく、歌い出しのみのアレンジ変更でもない。1曲まるごと歌声だけがアリーナに響き渡る。しかもキャパ300人のライブハウスでなく1万7千人入っているアリーナでやる。贅沢すぎる時間だった。
MC「アカペラって、聞いて入り方も緊張しますよね、ツアータイトルが0ということで、昔作ったこの曲を0の状態で歌いました。」
「次は来年出るアルバムの中の曲です」
ゆったりな曲調。初めて聞く曲でも歌詞が分かる程に発声がしっかりしている。
衣装チェンジのため捌けて、その間にセッション。最初は穏やかだったけど、段々と激しくなってくる。これはそろそろアレを期待してもよいのかな?
セッションが終わり新しい衣装をまとったSuperflyが登場。静かになってピアノの音色から『覚醒』が始まる。
冒頭を歌い終わり、ドラムの最初の一音が鳴った瞬間から音圧がまるで違った。低音の振動が凄くて、本当にラスボス襲来時のような緊張感。
イントロ最後のベースソロはピンスポ、全編通して楽器隊が暴れ狂っていて、その中でもギターやベースを喰ってしまう程ドラムが尋常じゃなかった。しかし、それすら喰ってしまうボーカルのメスライオン。これは完全に覇王色の覇気出てたね。
2番で一回音数減ってから音圧が復活する部分は、スタンド2階席でも低音のビリビリが伝わってきて恐怖を煽る。赤と紫の照明と、曼荼羅のような幾何学模様の映像も相まって本日1番のラスボス感。こんなのどう頑張っても勝てるワケないじゃん笑
今までいろんなライブを見てきて音数の多さに圧倒されることは多々あった。けれど、それとは違う。1つの音の破壊力が違う。スネアの1発、リフ1つ、歌メロ1フレーズ等それぞれの粒が強すぎた。
この後何やるかと思ったら、ラストスパート突入と言わんばかりに『タマシイレボリューション』投下 まぁ盛り上がりますよね笑
1番歌い方の違いが感じられた。やっぱり抑え目というか優しく歌っている。(と言っても元がチートだから普通の歌上手いボーカルよりも強い)サビ最後の「タマシイレボリューション」はフロアに歌わせるスタイル。
続けて『Dancing On The Fire』わーーーー聞きたかったけど、やらないと思ってたぁぁぁぁぁぁ嬉しい!!!
これメチャメチャ好きなんだけど、オリジナルアルバム未収録の不遇な扱いだからライブでもやらないと思てた。調べたら2014年の間ツアー、イベントでやった以来だから5年ぶりの披露。曲調も相まってさらに盛り上がる。
「皆さん踊りましょう」と、煽りも余裕が見える。
次はダメ押しで『愛をからだに吹き込んで』これも聞たかったぁぁぁぁぁシンガロングは全編歌わせてた。サビ後半の、シンガロングのメロディに歌詞付けるトコがツボすぎて変な笑いずっとしてた。アップテンポを4曲連続!
最後2曲はあまり聞いていなかった曲なので、落ち着いてたら終了
アンコール1曲目はアルバム新曲、満を持してチャーン チャッ チャーン
『愛をこめて花束を』はピアノが鳴った瞬間に大歓声、この「誰もが知っている名曲のイントロが鳴った瞬間の歓声」は久しぶりに聞いた。周りにいた、子供と一緒に来た自分と同年代っぽいお母さんも、指輪しているカップルも、うっとりしながら聞いていた。聞いている人の人生に寄り添っている曲は歓声の上がり方も違う。
本人的には歌いつくした曲なんだろうけど、求められているからやるんだろうな。BUMPの『天体観測』とか、サンボの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』とか、そういう枠だもんね。
イントロで「みんなで一緒に歌いましょう」 一緒に歌うのはどこかと思ったらラスサビ前の「巡る巡る時を超え~」のとこだった。みんなガッツリ歌っていてた。愛され度合いがすごい。
最後は『フレア』今期の朝ドラは序盤で脱落したので数回しか聞いてなかったけど、良かった~優しいさと力強さがいいバランスで同居してる。
後ろのお兄さんが曲前のMCから凄くノリノリだった笑
Superfly「朝ドラ、見てますか?」
お兄さん「見てるみてるよ~ 戸田恵梨香がかわいいんだよな」
Superfly「戸田恵梨香ちゃん、かわいいですよね」
お兄さん「うお! 会話になってるじゃん!聞こえたわ、俺の声」
隣の友達「いや、ちげーだろ」
陽気かよ笑。あと終盤どっかで風船の演出あったけど忘れてしもた…
というわけで終了。しつこいですが、まぁ~歌が上手い!!! 久しぶりにJ-POPのフィールドにいるライブに行ったけど、客層広いし、曲も豪華。歓声に人生の思い出が詰まっているよなぁ
ロックやラップのいわゆる「アンセム」と呼ばれる曲たちは「うぉぉぉぉぉ」とか気合が入った声だけど、誰もが知っている曲は「っっ、あぁ~」って気持ちが漏れ出している感じ。
とまぁ想像を遥かに上回る良さだったので、アルバム発売後のツアーで『覚醒』がセトリにあるなら、またツアー行きたい。とにかく『覚醒』もう1回聞きたい!!!
今までのアップテンポな曲とは少し雰囲気が違うし、今回のライブで圧巻のラスボスっぷりを発揮したから外さないと信じたいですね。対バンイベントやフェスも、もっと気軽にお願いします。
それでは