さすがにエンペラーすぎやしないかぃ?
ウチのブログでは”J-POP征夷大将軍”の通り名でお馴染み、三浦大知さんの新曲を聞いた時に思わずツッコんだ。
2018の『Blizzard』2019の『COLORLESS』2020年の『Yours』と年に1回は「ラスボス曲」と勝手に呼んでいる、まさに圧倒的な曲をリリースしてきているが、2021年は『Backwards』がその枠になる。
『Yours』の時に「おうちパフォーマンスはダンスも封じられてるし見る側の集中力低い中で圧巻すぎるパフォーマンスなのにこのクオリティって、遊戯王の『封印されしエグゾディア』単体でも攻撃力守備力共に1万かよ」みたいなことを書いたけど、晴れて5枚のカードが揃ってエグゾディアバーストが放たれた。
メチャメチャ歌って、メチャメチャ踊ってる。
ここまではいつも通りなんだけど、今回は「何か」がいつもと違う。
テレビで聞かされる時は世界一どうでもいい情報だけど、まさか自分で言う時が来るとは思わなかった。「過去最高難易度の歌とダンス」 です。
たしかJ-POP征夷大将軍はよく言われる、和製マイケルジャクソンから派生して「KING OF POPの日本版って何かな」みたいな発想で出てきた言葉だと思う。
これも『Yours』の時に書いたけど、「ボースティングと激励を両立させているのがポップスター」だったのに、ただ今回に限っては魔王みが深い。将軍というより、エンペラーな雰囲気が今までの曲との大きな違い。ここまでが前フリで歌詞と曲、今回は振付についても殴り書き
展開がフリーザの如し
イントロこそ短いものの、曲の長さは5分越えで、その中でまさにフリーザが4回変身するが如しの怒涛の展開を見せている。
イントロと歌い出しだけで先述の「今回もヤバいけど、いつもと違うヤバいだ!」というのを察知する。Bメロで音数が減ってひと際低音のベースが鳴る。これがまたとてつもなく嵐の前の静けさを演出していて、さらに裏で小さくイントロのリフのフレーズが鳴っていて段々大きくなり、サビのフリになってる
そこから「けっはぁぁぁあああい!」で大爆発。この「気配」 が「Get High」と英語っぽく聞こえて、曲の展開としてサビスイッチ(髭男の『Pretender』や『I LOVE…』における「グッバイ」や「イレギュラー」)になっていて、かつ日本語詞から英詞に切り替わるスイッチにもなっている。
そして何よりサビの歌い上げっぷり!個人的にはこういう母音が際立つ伸びやかな歌メロが大好物なのでたまんない。三浦大知の曲でこういう歌メロ少ないのでは?
ちなみにスネアの音すら緩急えぐくてですね…
Aメロはリバーブ?効いて「ダァァン」と少し残響がある感じ、Bメロは音数少なくなるからナシ。からのサビでソリッドな音でぶん殴ってくる。
そして2Aで第二形態。ラップに近いフロウで、またしても韻が気持ち良い。
迷い込んだら 低い雨空
不協和音が響く 夜な夜な
知っているような 知らない顔が
両手上げ祝う 偽のスーパーノバ
歌い出し前のブレスに色気と恐怖が同居してるんだけど、実はAメロも吐息多めでフリになってるんじゃないかなぁと半分こじつけ
2Bは1Bと同じだけど、1回サビを喰らった後に聞くクラップはラスボス戦だったら死へのカウントダウンでしかない。インデペンデンスデイのビームみたいな感じ
サビの直前で音が収束していくのに合わせてダンサーさん達が大ちゃんの後ろについて見かけ上1人になってから、サビで段階的に広がってくのなんて、何度でも言うけどラスボスだったら絶対に勝てない絶望感。ひれ伏すわ
そして問題のCメロ、ブリッジで第三形態。これはもう、溜まってる鬱憤全て出すシャウト。ライブでなく、画面越しでも意識が飛びそうになるくらいの覇気で大地が裂け空が割れる
ここでの振付はのけ反りながらも前に進もうとしてて、大河ドラマで主要キャラが弓矢に槍にってやられまくって死ぬ時並みに喰らってるんだけど、それでも進もうとしている!
そして最後には後転までする。これについてはインスタライブにて
「振りが出ちゃったもんで…ライブの時にどうするかはこれから考えます(照れ」
もんでじゃねーよ笑!!
そしてここがピークと思ったらラスサビで第四形態、転調こそしてないけど何と言ってもフェイク。ライブでかますのは多いけど音源の時点でここまで荒ぶるのは珍しいんじゃないかな(本当に、ライブで聞いたら立っていられる気がしない)
一見、大きく変わらないと見せかけてハチャメチャな戦闘力もフリーザ様の如し
そんな感じで5分間の1曲だけども、ライブのクライマックスパート5曲分みたいな情報量と熱量でした。よく「体感2秒!!」とかYoutubeのコメントで見るけど逆っす
過去最高にキレているが、何にキレているのか
エグゾディアだフリーザだごちゃごちゃ並べてきたけど、今回は歌詞がメチャクチャにキレてる。ちなみに作詞曲ともにNao’ymtさん
英語詞が顕著だけど、この有様
I can'ttakeit anymore / もう我慢出来ない
because I felt like I was walking backwards / 後ろ向きに歩いているような気がしたから
I'm sickand tired of walking backwards / 後ろを向いて歩いて行くのはもううんざりだ
no one gets in my way/ 邪魔をするものはない
ただ歌詞がイマイチ咀嚼しきれない
感想漁ってたら「英語字幕がついて歌詞が翻訳されている」というのを見つけたので、日本語詞の英語字幕を和訳して、補足してみることにした。
せっかくなので全編やったら大部分は割と日本語詞のまんまだったけど、面白かったのはBメロ
1番2番で歌詞変わらずなので大事な部分ではあるものの、最も理解しづらかった部分
回想は持て余す 人生の格子
届かず手放す世界
まだ燃えさかる 縁を残し
心が毛羽立つ気配
ここの英訳が
Reminiscing is just a life through cage stripes
can't reach, let go
Burn this cage,Burn this cage,
I wanna fly away right now
翻訳サイトをもとに意訳すると
追憶は人生の檻でしかない
格子に阻まれ届かず、手放してしまう
この檻を燃やせ
今すぐにでも飛び立ちたい
なるほど~毛羽立つって言葉に引っかかってたけど、羽ばたくで良いのか。
追憶=時間軸の後ろである過去ばかり見ていても意味がない、現状の自分を閉じ込めているものを壊して前に=未来に飛び込めってことなのね
ふと思い返せば後転を始め、サビの片方の手を振り解こうとしたり、居合切り直前みたいな動きだったり、全体通して後ろに引っ張られて、それを振り解くような動きになってる。歌詞を振付で表現するとああなるのね。元がバンド好きだから振付に着目するのってほとんどなかったけど、今回は情報量溢れて自分でも感じるポイントがたくさんある。
改めてジャケット見ると、Backwardsが反転してる→後ろ向きの逆=「前に進む」って解釈で良いのかね。溜まりに溜まったフラストレーションを爆発させ、どれだけ困難でも前に進むって、ポップスターがいつもと違った表情で放つメッセージとして強すぎるな。1秒でも早くライブで聞いて覇気に圧倒されて気絶したい
まとまんないけどボチボチ締めます。ここ数年でラスボス曲が乱立という超天変地異みたいな狂騒にも慣れそうになっているけど、そろそろアルバムを期待しても良い頃ですね~~これだけ強いシングル曲達をまとめるというお題に対してどう向き合うのか、またカッコよすぎて爆笑してしまうような新曲たのんます。
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それでは